日本でレバ刺しが禁止される7月1日から、アメリカ・カリフォルニア州のレストランでは世界3大珍味の一つフォアグラが提供できなくなります。カモやガチョウに強制的にえさを詰め込む飼育法が「残虐」だとの批判を受けて成立した州法が施行されるためです。
州法は、動物愛護団体の支援を受けて2004年、シュワルツェネッガー前知事が署名し成立。肝臓を通常以上に太らせる目的で鳥に強制的にえさをやることや、その結果としてできあがった商品の販売を禁じます。違反すれば最大1000ドル(約8万円)の罰金となります。
動物虐待が指摘される一方で、食文化を守ることの必要性や鶏肉、豚肉、牛肉といったほかの動物を食べること自体が禁止されかねないといった指摘もなされています。
フォアグラは、すでに欧州十数カ国などで生産できなくなっていますが、販売禁止は珍しいといいます。アメリカ・シカゴ市が2006年に販売を禁じましたが、批判を受けて2008年に撤回しました。
これらの映像を見れば、確かにフォアグラの生産状況は非常に残虐なものといわざるを得ませんが、狭い鶏舎に詰められて育てられるニワトリや虐待を受けている豚なども禁止されなくてはいけません。動物保護と食文化保護・食糧問題というジレンマを抱えた非常に難しい問題といえそうですね。