『モナ・リザ』といえば、イタリアの美術家レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた世界的に有名な名画であり、同時に謎の多い作品として多くの人々の関心を惹きつけている絵画です。そんな『モナ・リザ』の複製画が、スペインの首都マドリードの美術館で発見され話題となっています。『モナ・リザ』複製画は大量に存在しますが、この複製画はこれまでに見つかった中で最も早い時期に描かれたとみられ、モデルとなった女性の真の姿を知る手がかりとして注目されています。
複製画は、マドリードのプラド美術館が所蔵していたもので、これまでは遅い時期に描かれた作品と考えられていました。しかし、修復作業の過程で、黒く塗り重ねられた層の下に隠れていた肖像画が見つかったといいます。
修復された肖像画には、フランスのルーブル美術館が所蔵するダ・ヴィンチのモナリザと同じ女性と同様の背景が描かれています。ただ、女性の顔はニスのひび割れや長年の汚れに覆われたダ・ヴィンチのモナリザに比べて血色が良く、若く見えます。
美術専門誌はこの作品について、「オリジナルと複製画の制作が同時期に始まり、並んで描かれていたことがうかがえる」と解説。プラド美術館の学芸員は、複製画を描いた画家とダ・ヴィンチの関係の深さを指摘しています。
作品は、今月からプラド美術館で公開された後、3月にはルーブル美術館で特別展に出展される予定となっています。