インターネット上には、さまざまなWeb漫画が公開されていますが、多くのものはクオリティの点でいまひとつといわざるおえません。しかし、2ちゃんねる発の自作漫画・小説のコミュニティサイト「新都社」で小説が連載され、その後、Web漫画化した『オナニーマスター黒沢』は、そのクオリティの高さからネット上でヒットしました。今回は、そんなWeb漫画『オナニーマスター黒沢』をご紹介します。
1話
あらすじは、
「その日も僕は、学校の女子トイレで自慰に耽っていた・・・。特殊な性癖を持つ中学二年生、黒沢翔。放課後の女子トイレでの「日課」だけを生きる糧としていた彼だったが、二年目の終業式を前にして、現場付近の廊下で女子生徒と遭遇してしまう。女子生徒の名は北原綾。三年生の一学期、教室で再会した彼女は、悲惨なイジメにあっていた。そしていつしか黒沢は、北原の奇妙な復讐計画に巻き込まれていく・・・。」(引用)
というもので、女子トイレでの自慰行為が生きがいの中学生が、学校で巻き起こる(す)事件と学園生活を描いた作品です。
タイトルやあらすじだけ見るとかなりヒドい代物ですが、シュールな演出や淡い恋愛模様、学校で見たことがあるようなリアルなやりとりなどが読者のハートを鷲づかみにしているようです。また、漫画としての完成度も非常に高いと評価されています。
伊瀬カツラ(伊瀬勝良)氏によって書かれた原作のWeb小説は、双葉社から『キャッチャー・イン・ザ・トイレット!』というタイトルで出版され、サイトから削除されました。また、サイト「第四十工房」で「YOKO」によってWebコミック化され好評を博すものの、サイトが閉鎖されたため見ることができなくなっています。
しかし現在では、オーディオドラマ版をYOKO氏の漫画版と合わせた動画がニコニコ動画へ投稿されており、こちらやこちらからまとめて見ることができます。
なお、漫画版作者のYOKO氏は、現在「横田卓馬」として活動しており、「週刊少年ジャンプ」に読み切りが掲載されたり、「月刊ヤングマガジン」で『戦闘破壊学園ダンゲロス』(原作は架神恭介)が連載予定となっており、商業漫画家として活動しています。
漫画家や小説家が、インターネットから生まれるというこれまでにない出来事を起こすこととなった『オナニーマスター黒沢』。今後は、インターネットのこういった創作活動から、作家などが生まれてくるようになるのかもしれません。