米航空宇宙局(NAS)が2011年11月月に打ち上げた史上最大の無人火星探査車「キュリオシティ(好奇心)」が、米太平洋時間5日夜(日本時間6日午後)、火星の赤道付近に着陸しました。キュリオシティは、火星で生命の痕跡を探るために送り込まれました。
着陸成功を示す信号が、火星を周回中のNASAの探査機「マーズ・オデッセイ」を経由して、5日午後10時31分ごろ(同6日午後2時31分ごろ)、14分間かけてNASAに届きました。今後約2年間かけ、火星にかつて存在したかも知れない生命の痕跡を探します。
今回は、ロケット噴射で空中に浮遊する装置から、探査車をワイヤでつり下げて軟着陸させる方式を初めて採用。大気圏突入から着陸までの7分間は困難な作業が続くため、NASAは「恐怖の7分間」と呼んで警戒してきましたが、見事に成功しました。
探査車は25億ドル(約1960億円)をかけて開発されました。この探査車は原子力電池を動力源とする6輪のロボット自動車で、重さは約1トン。
カメラ17台と10の科学計器を搭載し、ロボットアームのドリルで採取した土壌サンプルに含まれる要素を分析します。
NASAの探査機や探査車の火星着陸は1976年の「バイキング1号」から7回目。旧ソ連は70年代に2機を着陸させたが直後に通信が途絶しました。その他の国は火星着陸に成功していません