大和ハウス工業が開発した「agri-cube(アグリキューブ)」は、ユニット式の建物で野菜を水耕栽培できる植物工場ユニットです。
生育状況にあわせて一定の光を当てることができる「照明器具昇降システム」や、栽培棚の清掃をスムーズにできる「養液循環・排水システム」などの独自技術が取り入れられ、エアコンなどの設備機器がパッケージ化されているので、野菜を育てた経験がない人でも簡単に使うことができます。
同じ環境制御の技術で、同じ養液を使って、いろんな野菜を栽培し、同じタイミングで同じようにできる仲間を集めてみた所、23種類の野菜がありました。リーフレタス、サンチュ、サラダ菜、水菜などは通常でも栽培でき、場合によってはラディッシュ、小カブなど根菜類も大きくはならないですが、一定の大きさまで栽培できるといいます。
リーフレタスの場合、種を蒔いてから約42日で収穫でき、1日約30株、年間10,000株の収穫が可能です。
また、駐車場1台分のスペースで設置できるため、レストランなどに併設して利用することも可能とのこと。その他、病院やホテル、コンビニエンスストア、研究機関などでの使用が想定されています。屋根の太陽電池や栽培室のエアカーテンはオプションで装備できます。
太陽光ではなく完全人工照明で栽培するため、ランニングコストは年間35万円程度。栽培株数が1万株程度なので、1株あたりのランニングコストは35円程度になるのが実際に運用した結果です。
デザインによって、850万円と550万円の2タイプが用意されており、すでに4月より商業施設向けの販売が開始されています。
導入費用を考えれば割高なのかもしれませんが、輸送費を抑え新鮮な野菜を好きな量だけ食べられるという利点もあります。コストを下げれば農場栽培よりもメリットが大きくなるかもしれませんね。