以前、野生を忘れて人間のペットとなったキツネをご紹介しましたが、どうやら犬よりもキツネの方がペットに向いているのかもしれません。今回は、「お座り」や「取ってこい」までこなしてしまう犬のような賢いペットのキツネをご紹介します。
飼い主が持っているボールを見つめるキツネですが、「お座り」というと命令どおりにその場で「お座り」をします。その後、「良い子」と言いながらボールを投げると、キツネは一目散にボールを追いかけて拾い、再び飼い主の元に持ってきます。
キツネのペット化は、過去に研究もされているようで、ロシアの神経細胞学者リュドミラ・ニコラエブナ・トルットは、ロシア科学アカデミーの遺伝学者ドミトリ・ベリャーエフと共に、キツネの人為選択による馴致化実験を行いました。
100頭あまりのキツネを掛け合わせ、もっとも人間になつく個体を選択して配合を繰り返すことで、わずか40世代でイヌのように尻尾を振り、人間に懐く個体を生み出すことに成功しました。同時に、耳が丸くなるなど飼い犬のような形質を発現することも観察されました。これは懐きやすさという性質が、(自然、あるいは人為的に)選択されうることを示しています。
これらの結果やこのキツネの従順さからも、思っている以上にキツネはペットに向いているのかもしれませんね。