地球上のあらゆる場所を網羅しつつあるグーグルマップですが、これまでは自動車が入り込めない場所などでの撮影が困難とされていました。しかし今回開発された背負い式ストリートビューカメラ「トレッカー」を使えば、どんな場所でも撮影することが可能となりそうです。
トレッカーの重さは約18kg。バックパックには全周カメラ群と二つのバッテリーが詰め込まれており、1日中の撮影にも対応可能。バックパックになったことで歩いて入れる場所ならどこでも撮影できるようになり、これまで自動車でも三輪自転車(トライク)でも入れなかった「国立公園やグランドキャニオン、城、遺跡など」をストリートビューに追加することができます。
トレッカーの製作期間は約1年。5メガピクセルのカメラを15台搭載しています。制御用にAndroidベースの省電力コンピュータを載せており、撮影データはHDDに記録する仕組み。現在は撮影開始と停止程度の機能しか持たないものの、歩行のペースを認識して撮影モードを変えるなど、スマートな機能の実装にも取り組んでいるとのこと。
トレッカーは今のところまだテストの段階で、本格的な運用はまだ先の話。今後、グーグル内部で改良を加えたうえで、外部の団体と協力して撮影範囲を拡大する計画です。
またグーグルでは、トレッカーをレンタルして撮影してもらうことも検討中。大学などが敷地内を撮影したり、施設や観光地の管理人が自主的に管理地をストリートビュー対応させたい場合などに利用されることを想定しています。
さらにトレッカーでは、建造物内での撮影は画像がぶれるため向かないといいますが、別の機材で屋内撮影も進められており、すでに商業施設や美術館のいくつかが撮影されています。