インターネット企業が私たちの好みに合わせてサービス(ニュースや検索など)をカスタマイズしようと努めるにしたがい、思いもよらぬ害が出てきています。私たちは「フィルターに囲まれた世界」に閉じ込められ、自己の世界観に疑問を投げかけたり視野を広める情報に触れる機会を失っているのです。結果的に私たちのためにならず、民主主義にも悪影響を及ぼすことになるとイーライ・パリザーが強く訴えます。
イーライ・パリザーは、現代のインターネット上の情報の流れは、私たちの好みに合わせるシステム(アルゴリズム)によって偏ったものになると指摘します。これは、グーグルやフェイスブックといったものだけではなく、あらゆるウェブサイトで発生している問題だといいます。
これらのシステムを集めたインターネット上の世界を、イーライ・パリザーは「フィルターに囲まれた世界」だといいます。この世界では、自分で情報を取捨選択できないだけでなく、どんな情報が遮断されていないのかが大きな問題だといいます。
インターネット上では、ただでさえ自分の好む情報ばかりを選択してしまい勝ちになりますが、アルゴリズムはこの流れを加速させるもののようです。これらの問題に対処するために現在できることは、意識的に自分の好まない情報も取得することくらいしか無さそうですね。