何と悲しくなる出来事だろうか。パレスチナのガザ地区にある動物園「Khan Younis Zoo」に訪れる子供達は、凶暴であるはずのライオンの頭を素手で触って喜んでいる。ただしそのライオンは、戦争によって餓死してしまった死骸を使った剥製だ。
仕方が無かったと園長は言う。彼は2008年のイスラエル軍によるガザ侵攻期間中の3週間、園内の動物の世話をすることができず、そのうちライオンや猿などの動物数頭が餓死してしまったのだ。
わずかな資金は生き残った動物達の餌代に消え、新たな動物も仕入れることができない。一時は本気で密輸も考えたそうだが、ある時餓死した動物の死骸で剥製を作ることを思いついたという。
とはいっても、剥製についての知識がゼロに等しかった園長は、そのやり方をインターネットで調べ、ほぼ独学で製作した。
痩せ細って横たわる体に防腐処理が施されただけのその剥製からは、空腹によって意識が遠いていく最期の時間が感じ取れる。
不遇な死を遂げた動物達もさることながら、この剥製を触って喜ぶという子供達というのも、戦争が生み出す悲しい産物だと思った。
via:LIFIDEA.net