思春期の子供にとって、親という存在はうっとおしいものであり恐ろしいものでもあります。学校でのクールな自分が、家族によって台無しにされ、友達の前で悔しい思いをすることもありますよね。
16歳の青年レイン君には、そんな悔しい思いをする瞬間が毎朝訪れます。なぜならレイン君の父親デイルさんは、学校に向かうレイン君が乗るスクールバスを、毎日違う奇抜な正装でお見送りするためです。
年頃の息子にとっては拷問でしかないこのコスプレは、過去170日間において毎日のように行われています。デイルさんは、時代を感じさせる「キッス」のコスプレや「ワンダーウーマン」のコスプレから、「マリオ」「レイア姫」といったキャラクターもの、「医者」「カウボーイ」といった職業ものまで、どんなコスプレでも自由自在に着こなしてしまいます。
現在では、このコスプレでのお見送りは、レイン君を困らせると同時に多少の笑いを呼び起こし、現在では通学する子供たちの日常風景と化してしまいました。レイン君は地元のテレビ局に「面白いものを見つけたよ」「早起きしてお見送りしてもらうのは良いことだけど、恥ずかしいよ」と語りました。
これらの衣装のほとんどは、押入れに仕舞い込んであった服や隣人、友人から借りたものだそうです。
デイルさんは、20年以上前にバイク事故で片足を失いましたが、現在は22年前に結婚した妻のロシェルさんと、3人の子供と暮らし、ペイントボールのチェーン店を営んでいます。また、テレビ局の取材に対して「(このコスプレを)まだやるつもりだし、辞めるつもりなんてないよ」と語りました。
レイン君の恥ずかしさは痛いほど分かりますが、ここまでしてくれる父親もなかなかいません。何はともあれ、レイン君の気持ちなどお構いなしに、デイルさんの過干渉は続くでしょうね。