エベレストからマリアナ海溝までを支配し月に到達した現代人が、祖先よりも優れていると疑わない人がほとんどだと思います。
しかし、ケンブリッジ大学の専門家によると、過去ピーク時の狩猟採集生活をしていた祖先の脳の容量に比べて、現代人の脳の容量は10%少ないという驚くべき研究結果が発表されました。
脳容量の減少は一万年前から始まったようで、研究者達は、農業によって引き起こされた都市化が食事の制限や健康問題、病気の拡大を引き起こすと警告しています。
そして、この理論はアフリカ・ヨーロッパ・アジアで発見された人類化石から導き出された仮説だといいます。
13万年前にいたネアンデルタール人は現代人より脳の容量も多く体格も良かった
農業によって気楽な生活が始まった1万年前から脳の容量は10%低下しました。
アフリカ・カリハリ砂漠のブッシュマンが世界で残された唯一の旧石器時代の生活スタイルを守っている人々です
1万年前までは継続的に身体は進化していました。
ところが、9000年前から始まった農業によって狩猟採集生活から農耕生活への転換が起こり、栽培できる少ない種類の作物しか食べられなくなったことがビタミンやミネラル不足を引き起こし発育不全を招いたと推測されています。
しかし、脳の容量が小さいことが知的ではないという意味ではありません。むしろ私達の資源を最大限活用することを学んだといえます。
コンピュータのプロセッサがそうであるように、脳が小さくなったのは効率的になったためであり、大きな脳よりエネルギー消費を抑えられているという説もあるようです。
ただ、人類は進化の段階的且つ継続的なプロセスの中にあるため「人類」というもの一定の実体は無く、そのプロセスそのものが「人類」なのかもしれません。