作家の村上龍さんとエフエム東京社員の延江さんが、毎週時事について語っているRVR。今週は、沖縄県・米軍普天間飛行場の移設をめぐり女性への乱暴に例えた田中聡・前沖縄防衛局長の不適切発言「犯す前にこれから犯すと言うか?」と欧州・ユーロ圏の政府債務危機について語ります。
田中聡・前沖縄防衛局長の不適切発言について、村上さんは「語ることはない」としながらも、今回の件で”停職が40日”だと延江さんから聞かされると、「官僚や政治家のスキャンダルは、国民が処分を見て”これはひどすぎる”という風に思うくらいでないと信頼は回復できない」といいます。さらに、「官僚とか政治家とか公務員は(信頼回復することの難しさが)分かっていない」と断言します。
次に、欧州・ユーロ圏の政府債務危機について、そもそもヨーロッパを一つの枠組みにするためにユーロ圏を生み出したとしています。さらに実体経済を比較すればユーロよりもアメリカの方が問題があるといい、そのためユーロの方が安全で問題がないといいます。しかし、ユーロが安全だと言わない理由としては、ユーロが危険だとアナウンスすることで、国家を超えたユーロ圏で財政を一括管理をするための動機付けにしようとしていると分析します。つまり、EU首脳は「このままだと崩壊する」と言うことでより高度なレベルの経済統合という高いハードルを乗り越えようとしているといいます。 そして最後には、フランスとドイツが仲が良いのは高度な政治的・経済的駆け引きの証拠であり、多分大丈夫だろうと締めくくりました。
ユーロ危機を乗り越えられるか否かは、ヨーロッパだけの問題でなく、今後の世界の経済のあり方を方向付ける上でも重要なものとなります。そして、これは世界主義者、国家主義者、地域主義者たちのイデオロギーのぶつかり合いと言えそうです。