オランダ・アムステルダムには、一風変わった写真を展示しているギャラリーが存在します。それは画像投稿サイト「フリッカー(Flickr)」に24時間でアップロードされた100万枚もの写真を展示するというものです。
出展者のエリック・ケッセルスさんは、インターネットとデジタル写真の普及によって生まれた「情報の洪水」を、見事に表現しました。
まるでゴミのように無秩序に大量に積まれた写真は、ケッセルスさんが意図的に配置したものです。ケッセルスさんはプロジェクトについて次のように語っています。
「我々は今日、画像の過負荷に晒されています。これらの供給過多は、フリッカーのような画像共有サイトやフェイスブックのようなネットワーキングサービス及び、画像検索エンジンによるものです。その内容は、個人的で気取らないものばかりで、公的なものと私的なものが交錯しています。私は24時間の間にアップロードされた画像を印刷することで、他人達の経験の中で溺死する感覚を視覚化しました」
“たくさんある”ということを考えさせられる彼の考えは、これまでインターネット上の基本であった”共有”という概念に挑戦する試みでもあります。
ここまで爆発的に大きな情報は、人を豊かにするだけでは無いのかもしれません。