アップル社のスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は24日、CEOを退任する意向を同社の取締役会に通知した。ジョブズ氏は会長職にはとどまる予定。
また、CEO退任の発表を受けアップル社の株は時間外取引で7.39%下落し、時価総額は240億ドル(約1兆8400億円)減少した。
ジョブズ氏に力を貰った人々からは残念の声が出ている。
また、同社はジョブズ氏がアップル社の取締役会とユーザーへ宛てた書簡を公表した。
(ここから)
アップル取締役会とアップル・コミュニティの皆様へ:
私は、アップルCEOとして職務と期待が果たせなくなる日が来た場合、まず最初にあなたたちに伝えるとかねてから言ってきた。
ここにアップルCEOを辞する。取締役会が適当であると判断すれば、会長、取締役、アップル社員として留任したい。
私の後継者については、我々の後継者プランを遂行し、ティム・クック氏をCEOに指名したい。
この先、アップルの最も輝かしく革新にあふれた日々が待っていることを信じている。新たな役割を果たすなかで、アップルの成功に貢献し、それを見届けられることを楽しみにしている。
私はアップルでは人生最良の友人を何人か得ることができた。多年にわたりあなたたちと働くことができたことを感謝する。
(ここまで)
書簡にもあるように、CEOの後任にはティム・クック氏が就任するとされている。
ジョブズ氏は以前から健康面が懸念されており、2004年に膵臓ガンと診断され、2009年には肝臓の移植手術を受けていた。その後、復帰を果たしたが2011年の1月17日に再び病気療養のため休暇に入っていた。
このような経緯もあり、ジョブズ氏のCEO退任は誰もが予想していたことだったようだ。それでもなお、アップル社の株価が7%以上下落した事実は、アップル社におけるジョブズ氏の重要性を示しており市場に大きな影響を及ぼした。
(左)2004年当時の健康的だったジョブズ氏が(右)2009年には頬がコケてやつれている
(左)1977年にApple IIを発売しマイコン革命を巻き起こした。(右)1998年にはiMacを発表。
今年8月には、時価総額でエクソンモービルを抜き全米1位になったアップル社(8月10日の時価総額は約27兆円)。創造的な製品でコンピュータ産業だけに留まらず、世界中のライフスタイルを一変させたジョブズ氏なきあと、アップル社の事業展開はどのようになっていくのかが注目される。
ジョブズ氏、ごくろうさまでした。しっかり療養してください。